
第3回 経営コンサルタントにはこんな能力が必要
■経営コンサルタントは判断を売るビジネスです。情報を売るだけであれば、
テレビのニュース番組でも立派に経営コンサルタントの仕事は勤まります。
例えば、ある地方の会社でコンサルタントが新規事業の指導を求められまし
た。会議の席でどんな事業がこれから有望か討論がなされ、そのコンサルタ
ントは当時都会でブームであったプールバーをしてみてはどうかと提案しま
した。都会で流行っているのなら、と会社も賛成し、数千万円の設備投資を
して事業をスタートさせました。しかし、事業開始後すぐにブームは去り、
事業は採算に乗るどころかそのまま借金を抱えて撤退したということです。
このような提案は決して経営コンサルタントの仕事ではありません。経営コ
ンサルタントは判断を売るのが仕事です。「プールバーが都会で流行って、い
ずれ地方にも波及をして儲かるから取り組んでみては」というのは、単なる情
報であって判断ではありません。
| プールバーが都会で流行っている | |
| 今流行っているという事と将来も事業として成り立つ事は同じか? | |
| 新規事業として取り組むだけの事業価値があるか。 | |
| 候補の事業と会社の体質があっているか。 | |
| 事業価値があるかどうかの判断は、単に目先の利益ではなく会社として | |
| 力を入れて取り組める事業かどうかであり、トップに取り組む強い意志 | |
| があるか。 | |
| 資金だけ出して、誰かに運営を任せ、あわよくば儲けようという安易な | |
| 考えで取り組んでいないか。 | |
| 新規事業として取り組み、その運営ノウハウを得る苦労を覚悟で取り組 | |
| もうとしているのか。 |
■このような課題を示して、YES、NOを判断するのが経営コンサルタント
の仕事です。そのためには、経営コンサルタントには深い洞察力や問題認識
能力が必要になります。
今の時代を反映する中小企業の経営環境問題として、労働生産性の向上、人
件費の引き下げ等の労務問題への対応があります。コンサルティング活動の
中でも頻繁に出てくる課題です。このような課題に直面した際、視点をどこ
に置くかが判断のための大切なポイントになります。
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■根本的に大切な事は、将来的にその事業そのものが日本の国内で経営的に成
り立つかどうか、の判断です。この判断を抜きにして、労働力を確保のため
に労務管理の制度づくりや環境改善を図っても、意味のない対応になること
もある訳です。海外進出をする場合のリスクと事業そのものが将来行き詰る
リスクを、同じテーブルに載せてから数々の対応策を考える。
経営コンサルタントには、このような判断と能力が必要です。
経営者は経営コンサルタント以上に会社のことについて日夜深く考えています。
その結果、経営コンサルタントが思ってもみない意見や考えを持っている場合
も多々あります。コンサルティングの仕事をしながら、「なるほど」と教わる事
はいくらでもあります。
■例えば、売上高100億円規模の会社で、経費の電気代や電話代を集金支払に
していた会社があります。事務の手間がかかるし、時間のロスにもなるので、
どうして自動引き落としで対応しないのかと思って理由を尋ねてみると、集金
なら必ずお金を支払う時に何度も請求の金額と合っているかをチェックする。
自動引き落としになれば、自動的に毎月口座から引き落とされるためにチェッ
クがおろそかになりかねない、という理由でした。
やはり、企業は生き物で、経営者が10人いれば10通りのやり方、考え方が
あるのです。このような経営者に対して、経営コンサルタントが安直に、表面
的な現象だけをとらえて提案すれば、すぐに足元をすくわれかねないでしょう。
■経営コンサルタントに必要な能力として大切なものは、次の9点があります。
| 幅広くモノゴトをとらえ、深く掘り下げて考えられる能力 | |
| モノゴトが進んでいくその行き着く先や結果を考えられる洞察力 | |
| 時間管理や限られた時間に仕事を処理できる業務処理能力 | |
| 課題に対する集中力 | |
| モノゴトや文章をまとめる能力 | |
| 説得力と簡潔に説明できる言語能力 | |
| 行動力・体力・気力 | |
| 忍耐力 | |
| 想像力・革新力 |
中でも、深く掘り下げて考えられる能力・洞察力は、仕事を進めていく上で
非常に大切です。
| 第1回 経営コンサルタントとはこんな仕事 | |||
| 第2回 経営者はコンサルタントに何を望んでいるのか | |||
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