
第3回 中国的事情の理解
■巨大な市場ということと、そこで売れるということとは違う。日本の企業には”日本で
成功しているから”とか”日本で評判だから”とか”品質・技術がいい”とか”おいしいから”
とかの勝手な解釈で中国の市場に入ろうとするところが多い。
そんな会社の対応は、まず中国で開催されるどこかの展示会に出品して反応を見る事
から始まる。そしてそこで交わされた「素晴らしいですね」「きっとたくさん売れます
よ」と言う誉め言葉を信じて代理店の契約をしたり、現地に会社を作ったりする。しか
し最初はいいが、結局後が続かなくなる。
私はここにもまた、中国は遅れた国だから日本の素晴らしい商品が売れないわけがな
いとの思いが働くのだろうと思う。市場は巨大である。しかしその巨大な市場に対応す
るためには、巨大な営業の努力もまた必要である。それをせずに、ただ展示会に出した
だけで、現地に会社をつくり営業社員を採用しただけで商品が売れていくような甘い市
場ではない。
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その市場への対応には、言葉だけではない実践としてのマーケットインの対応が必
要である。展示会への出品や代理店の契約、現地の会社の設立などの形や器を作る事
は、それなりの手順を踏めば、例え中国であってもそんなに難しいことではない。今
は90年代とは異なり、中国での販売会社の設立も容易になった。現地法人を作らず、
中国企業を代理店として日本の製品を販売することも、禁じられている一部の品目を
除き問題はない。代理店より、もっと関係を密にした現地パートナーをつくり販売す
ることも出来る。
これらについては、前著「中国市場の読み方」(明日香出版社)で取り上げているの
で参考にしていただきたい。
しかし最も大切な事は、そのような形や器でなく中身である。現地法人を作り、中国
でどんな人を営業の責任者にして、どんな社員を採用し、どんな雇用契約の中で、賃
金などのどんな動機付けをして営業活動を進めていくか。どんな相手を代理店やパー
トナーとするか。そのパートナーとの関係をどのように維持していくかが大切である。
現地法人がいいか、代理店がいいか、パートナー方式がいいかは各々の企業の事情で
違う。しかし、現地の習慣や人々の考え方などといった現地事情が理解できていなけ
れば、それすら決められない。
現地法人を作ってみたが、代理店の契約をしてみたが、あるいは店を出してみたが、
肝心の営業活動が進まないといった声はよく聞かれる。その多くが、日本の優れた商
品、サービスだから、きっと売れるという勝手な考え方で形を作ることだけを考えて
対応した結果によることが多い。
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